まず、アンケートを読みます。
真剣です。
お客さまは、自分の感じたことを書いてきます。
自分達が表現しようとしたものが、お客さまに伝わっているか。
「今回は5ユニット。お客がユニットを比較してしまうので感想をかくのも難しい。」
と小松さん。
「うーーーーん」「うれしいね」「こんな風に思われたんだ」
考え込んだり、納得したり、笑ったり。
後半は、小松さんの演出。
本番とは『違う』演出をつけていきます。
まずは、『場』の確認。最初のシーンで登場人物はどこから何を見ていたのか?
ホテルの中庭や、温泉街、蛍や鳥など、各ユニットによって解釈が全然ちがいますね。
みなさんは、どんなイメージでご覧になりましたか?
その後、各ユニットのシーンの一部を再構成していきます。
劇団HoleBrothers
小松さんの指示は「男1が女1に殺意を持ってる設定で」
むむむっ!急にサスペンスっぽくなってきました。
男1の目つきがあやしいです。
HORIS★
台本では1場と2場の間で、温泉に入ります。
2場では「お風呂あがり」な体の状態になっているはず。
そこで、お風呂に入るエチュードをやります。
「女湯をのぞこうぜ」「え?いや・・・そんなことできないよ」「だいじょうぶだって!」
みんなクスクス笑ってます。
aiiroには
「アドリブなしで」
男3のカツラについて聞くシーン。
男3がカツラについてどう思っているか。
「カツラだと聞かれたことでどう感じてるのか」
カツラの話題になり、怒りを隠しきれない様子の男3の演技。
他の役者さんの演技が変わります。
リアクションを大事に…とのことでした。
演劇銭団Do−リンク場
キャラクターの設定を再確認します。
アキバ系の男1に萌えキャラだけど好奇心の強い女1。
小松さんが「もっと体全体を使って!」と女1を実演します。
「どこぉ?」と飛び跳ねて女子高生を熱演する小松さんに、参加者全員大爆笑でした。
あべさん(Average≒31)
「台詞をかえずに」
台詞を変えずに、お侍さんをどういかしていくか。
「現代語を勉強中の侍という設定もある」とアドバイス。
間の取り方や、表情で「現代語を使う侍」ができるんですね!
最後は、小松さんの講評で6日間の演出ワークショップを締めくくりました。
(担当:榎園)
ワークショップを無事終了することができた。担当のレポートは「シロウト視点」で書いているのだが、ある程度素養のある方ならばこのワークショップの雰囲気とその効果は十分にわかっていただけるだろうと思う。このワークショップを受けた演出家の次回作が急に著しく成長するというまではないだろうが、それでもこのワークショップを通じ各演出家が演出家としての能力を伸ばしたことは間違いない。各ユニットからの感想もそれを裏付けるものであり、主催者として想定していた以上にこのワークショップを利用していただいた。これは各ユニットの演出家の意識の高さを裏付けるものであり、今後の活躍を期待せずにいられない。
この企画を主催したFPAPにとっても、たいへん大きなものを得る機会となった。このワークショップに参加していただいたユニット、当日ご来場いただいたお客様、劇場スタッフや関係者、そして快く講師を引き受けていただいたばかりか、ワークショップ用に脚本まで書き下ろしていただいた小松氏にこの場を借りて感謝したい。
他都市の舞台芸術を支援する団体などが、同様の企画を行うようなことがあれば、このワークショップのノウハウ等はすべてお知らせする用意がある。その際は気軽にFPAPまでご連絡をいただければ幸いである。 |