仮屋園:鹿児島の劇団は10もなく、そのほとんど25歳以下。30,40代はあまりにも少ないです。1週間くらい前にはじめていろんな劇団が集まって飲み会をして、協議会を作りましたというレベルです。他都市の皆さんのように劇場は協力してくれないですね。
泊:やっているうちに劇場の人と仲良くなったりしないの?
高崎:協議会ができたんならみんなで要望書を出せばいいじゃないですか。どんなところで公演したりしてるんですか。
仮屋園:公民館です。
泊:公民館かぁ。公民館は予算を持ってないから事業持ち込んでも難しいね。
仮屋園:あとは200−300のキャパのところがあるけど、僕らは動員力も予算もないので、まだこのキャパ数はきついです。他はもう公演できるようなところはないですね。
高崎:劇場の状況というところでいうと長崎はどうでしょうか。
福田:そうですね。100のライブハウスと、250,500のキャパのホールがある感じです。
河野(門川):予算と規模の話になりますかね。誤解があるといけないので、断っておきますが、うちは永山くんをバックアップするとは言っていますが、実際出しているのは交通費と宿泊費と売れたチケットの8割だけ。ハイリスクローリターンですよ。門川のホールは670人のキャパで、演劇だけじゃなく、地域の利用や企業説明会などなんでもありの百貨店状態。はっきり言って使い勝手は悪い。永山くんはロビーなども含んで劇場ではないところで頑張って工夫して使っている。何も恵まれた環境でやっているわけではないことを言っておきます。
高崎:今、行政(劇場)が後押ししてくれている熊本や長崎なんかも、最初から行政が演劇を後押ししてくれてたわけではないと思うんです。池田さんや河野さんや福田さんが頑張ってこられて、それを見て行政が気付いたんだと思います。
福田:確かに、今年10年になりますが、最初の5年は公演の度に20万30万の赤字でしたね。
池田:県立劇場にまさか立てると思ってなかったんですが、熊本リージョナルシアターで呼んでいただき、また新しいお客さんが増えました。先日鹿児島にワークショップに行きましたが、いいとこでした。いい男、いい女も多いし、大丈夫だと思いますよ。
岩永:どこの地域にも市民助成金みたいなのはあると思います。探して取りに行ってはどうでしょうか。
泊:行政は新しいことをしたがらないから、演劇人がひっぱらないと。戯曲賞とか取るという方法もありますね。東京に認めさせて、地元で「東京で認められてんだぞ!」って言うと、意外にコトが動くことってあるから。
本田:いま盛んに行われているワークショップは子どもの表現力を高めるという効果をいいやすい。行政はこういうのに弱い。私達がやっているのは趣味の世界のものではなく、社会に役立つものだということを打ち出していけばいい。
高崎:佐賀も最近演劇が盛り上がってきている感じですが、いかがでしょう。
辻:劇場とのかかわりはあまりないですね。市からは助成金とか県から演劇祭とかでお世話になっています。
永山:宮崎とかは互いに顔が見える関係があって、いろんな人と連携が取りやすいのですが、福岡はこちらから見ると都会で人口も多いような感じなので、その辺りどうかなと思っているんですが。
広瀬:毎年2つくらい劇団ができて、どんどん膨らんでいる印象がある。当初は行政も冷たかった感じで、行政なんか関係なく俺達だけでやろうぜってやってみたら段々と見てくれるになりましたね。あれ。答えになってますっけ。
永山:なってますなってます。福岡で言うと、ギンギラ太陽‘sさんが商業的な方向性で大きく目立っていると思いますが、そのあたりについて思うところはありますか。
高崎:ギンギラさんが動員を増やすことで、他の劇団の動員の波及効果があるでしょう。そんなに多くはないようですが。それに何と言ってもあそこまで頑張ってくれると励みになります。若手の地域の役者も公演に出る機会があり、10日間の公演というような経験をさせてもらえるのもありがたいです。
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