Q 劇団の運営資金はどのように集めていますか、劇団費などはありますか?
A 今のところ各公演の売り上げや協賛金などでまかなえています。後、グレコローマンスタイルでのイベント出演などのギャラからパーセンテージで引いています。 今のところ劇団費を集めるつもりはありません。(山下)
A 月額¥2,000を運営維持費(稽古場代、サーバ・ドメイン代等)として徴収(休団時は年会費)。
また入団時に、スポーツ保険加入費として\1,600円を集めています。 (佐倉)
A 劇団で倉庫・ミーティング・作業場を兼ねた一室を借りているので、主にそこの維持費として月に1人3000円程度徴収しています。
あとは公演ごとに運転資金を一時的に徴収したりもします(チケット収入や助成金は後からしか入って来ないので)。(泊)
A 劇団費として月に3000円。その他、劇団で仕事を受けたもの(CM・エキストラ等)に関しては、マネージメント料的なモノを劇団に入れる形をとって、稽古場の家賃とか、公演資金とかに充てています。(福田)
A 稽古場の維持費として、1人月5,000円ほど負担しています。が、ここ数年の劇団員減少により、それも厳しくなっています。今、抜本的な改革をしようとミーティングを重ねている最中です。(永山)
A 劇団で借りている建物(作業・道具保管・稽古・会議などに使用)の維持費及び運営費として月5千円〜1万円の劇団費を集めています。また、劇団として請ける仕事(道具製作など)の収入もあります。(辻)
A きららは基本的に、1)「イベント・WS等の仕事をする事務所」と2)「公演を行う劇団」の2つの面で成り立っています。
1)で得る収入には、劇団運営費(制作者謝金・事務所家賃等)&公演費用・イベント出演者への出演料があり、
2)から得る収入には、チケット売上・月額3000円の団費・助成金等があります。
2)で赤字が出た場合、1)で補填する感じです。(池田)
Q 劇団員の皆さんは、どんな仕事をしていますか?
A グレコは表現を生業にしたいという目標があって、テレビ・ラジオのパーソナリティー、CMなどのナレーション、モデル、バレエの講師、勿論、ドラマや映画の出演などをしてる人がいます。それだけで食べられない人はアルバイトをしています。(山下)
A それぞれ多様な職種で就職しています。事務員、看護師、営業、消防士など見事にバラバラです。 (佐倉)
A いろいろです。公務員も居れば会社員もいますし、フリーターも居ます。もちろんフリーターの方が動きやすそうですが、勤め人の方が生活は安定するのでどっちが良いとも言えませんね。(泊)
A 色々です。普通に会社員とか、フリーターとかです。(福田)
A アルバイトですね。(コンビニ、100円ショップなど)(永山)
A 会社員・バイト・主婦・・・です。(辻)
A 1)の「専属」として制作(宗真樹子)と私(池田美樹)が従事しています。
他のメンバーは「会社員 団体職員 大学生」です。(池田)
Q 公演にかかるお金をどうやって集めていますか?経済的にとか家庭的にとか苦しくないですか?
A 生活は苦しいですが、それは芝居の公演とは全然関係ありません。
これは僕個人の意見なんですが、芝居の公演は表現者である僕の営業ツールだと考えています。
営業ツールで損したらそれは本末転倒でしょうし、そうならないためにはどうしたらいいかということは僕が考え付くくらいですから、ちょっと考えれば皆さんにも思いつくと思います。(山下)
A チケットの販売収入と助成金(たまにしかおりませんが)申請をしています。赤字が出た場合は団員でワリカンにしています。
当団の場合は今のところ最大で一人1〜2万の負担しか出ていないので、苦しいところまでは、いっていません。 (佐倉)
A 何とか折り合いをつけてやっています。何とか折り合いをつけられない人は、やはり継続は難しいんだと思います。(泊)
A 以前は超大赤字を出して劇団員で負担した時もありますが、最近は助成金がとれたりしているので、大まか何とかなっています。
劇団通しの仕事が増えてきているのもあると思います。
個人に関しては、経済的に苦しい人もいると思いますが、表向きに「苦しい」と言っている人はいません。(福田)
A 公演については、チケット収入、委託料、助成金などでどうにかまかなっています。
毎回綱渡りの状態ですが、まあ、どうにかこうにかやっています。(永山)
A 劇団費の積立から出したり、公演終了までは各担当者で立替えたりしています。公演資金として団員から徴収することはありません。活動を続けていけるよう生活環境を整えることを基本にしています。(辻)
A 公演費に関してはひとつ前の質問の通りです。
メンバーの個人的な経済状況は…「自覚に任せる」。
きらら信条のひとつに「休団を恐れるな」があります(笑)
仕事や恋愛、演劇以外のことをみつめる時間も持たないと、ヘンな「追い詰められ感」に苛まれる危険がありますよね。(池田)
A たとえば東京であっても、極めて限られた一部の劇団を除き、活動の経済面では似たような状況のようです。
九州でもタレント活動をしながらであったり、年間200回の公演をするようなプロの劇団では、副業をしなくてよい場合もあるようです(タレント活動が副業かどうかはおいておいて)。
ワークライフバランスの考えが進む、活動を続けられる職業を考えるなど、環境の改善と個人の努力と両方が必要な時代ですね。(高崎)
Q きららの池田さんはものつくりの信念を「美しいものにも愛嬌あり」とおっしゃっていますが、他の皆さまもなにか、ものつくりの信念がありましたら、教えて下さい。
A ないです。(山下)
A 自分を見失わないことでしょうか。 (佐倉)
A 特にありません。ただ、入場料を取る以上は、それに見合ったモノを提供しなければと常に思っています。(泊)
A 「面白いモノを作る」当たり前のことですけど・・(福田)
A 今、まだうまく言葉にできないのですが、来年の20周年に向けて、そこらあたりをきちんと言語化していきたいと思います。(永山)
A うーん、ないですね。今後できてくるかもしれませんが・・・ものをつくりを続けていきたいとは思います。(辻)
A 美しい「のに」愛嬌もあり、ですね(笑)
今まで感動したもの(演劇に限らず)にはすべて、「精進の先のユーモア精神」が感じられました。
結局、創作者の「人間性」なんだろうなと思います。自省自戒の毎日です。(池田)
Q 将来の夢は何ですか?また、何年先まで将来のビジョンをたてているものなのでしょうか?
A 団体としてのヴィジョンは3年毎に更新していきます。その場合、多少おっきめのヴィジョンを設定しています。それに個人的なヴィジョンをすり合わせています。これは、グレコはあくまでも『個人』の集団ということからです。(山下)
A 将来というほど先のことは考えていませんが、自分にしかできないような表現の作品が作れたらとは常々願っております。
制作的には、2年スパンで運営計画を立てています。
詳細な公演計画は、毎年1月〜3月に企画会議で制作提案を行い、団員全員で上演脚本等を決定しています。今のところの限界です。 (佐倉)
A 個人的な夢はありますが、劇団とは一応分けて考えています。 劇団は2年前に20周年という区切りをつけ、ある一定の目標は達せられたと考えているので、今は次の目標を模索している時期、と言っていいと思います。短期的な目標はありますが。(泊)
A 個人的な夢はありますが、劇団としては特にありません。強いて言えば「長崎の娯楽になること」でしょうか。
将来的なビジョンは、5年先ぐらいまではぼんやりとある感じです。(福田)
A 劇団でしかできないものをどこまで純化していけるか、どこまでたどりつけるのか、そんなことを考えてはいます。歩き出す方向は決まってるけど、到着する場所は決まっていない、そんな旅のようなもんでしょうか。(永山)
A 劇団としてのビジョンは、これまでは1年間計画といった感じでしたが、今後は3年先くらいを考えて計画を立てていきたいと考えています。個人的には佐賀でもっと演劇が観れる演れる楽しめるといいなと思ってます。(辻)
A 1)的に一年以上先の仕事が入って来ることもありますが、2)的には年度末に一年分の大まかな予定を立てる感じです。
本公演の質を上げたいのはもちろんですが、もうひとつの柱であるWSの精度を上げて、いろんな展開をしてみたいです。
今までは大学&小中学校中心だったのですが、最近依頼が増えつつある「社員研修や障害児学級での実施」も深めて行きたいと思っています。(池田)
Q あまりプロの劇団を見たことがありませんが、皆さんのオススメの劇団があったら教えて下さい。勉強に見てみたいので。
A 見れるだけ見たほうがいいとおもいます。その中で自分に合う合わないを決めてもらえればと。(山下)
A 私の場合プロアマ問わずなんでも勉強になりました。好き嫌いはそれぞれですし・・ (佐倉)
A 何でも見れるものは、観た方が良いでしょう。勉強で観るのなら、例えば芝居が面白かったら「なぜ面白かったのか?」を考えてみると良いかも知れません。それについて劇団員でディスカッションしてみても良いですね。(泊)
A 色々観たら良いと思います。面白いモノも面白くないモノも。(福田)
A とにかく、九州の劇団、見てください。たくさんの方に見ていただくことが、九州の演劇をより面白く育てることだと思いますので。その土地の空気とあわせて、ぜひその劇団の地元で見ることをおすすめします。(永山)
A 目に付いた公演やよく名前を聞く劇団の公演などプロアマチュア関係なくどんどん観て行った方がいいのではないでしょうか?(辻)
A 皆さんのお答え同様「観れるものはなんでも!」と思います。
福岡・北九州・東京、なんとか遣り繰りして定期的に足を運ばれることをお奨めします。
生は刺激が違うなぁと行く度に実感します。
洋服、旅行、グルメ…使い道は多々ですが、「手持ちのお金と時間の配分をどうするか」が向上の分かれ目だと思います。
「誰かが観に行った公演の折込チラシを皆で見る習慣」も、全体の刺激につながっていくと思いますよ。(池田)
A 福岡で芝居を見る場合は、FPAPサイトのオススメ芝居を参考にされるといいかと思います。(高崎)
Q 地方の劇団は、創作作品が多いと思いますが、作家=演出が良いと思いますか?
A いいこともあれば悪いこともあると思います。
僕の場合これに役者も入ってくるわけですから、いい、悪いは別にして、嫌です。(山下)
A 人材がいれば、別でもよいと思います。舞台を作る能力があるなら、誰であっても「=演出」が成り立つと思います。 (佐倉)
A 良い悪いではなく、「作と演出を別々に考えてみる」という経験があった方が良いと思います。
他人の本を演出するとか、他人に自分の本を演出してもらうとか。その経験は自分で作・演出するときに何かしら活かせると思います。(泊)
A 作家=演出という形が良いか悪いかはその集団が決めれば良いと思います。(福田)
A いやあ、個人的には、演出に専念する演出家がもっとたくさん出てきて欲しいと思います。
新作、新作で戯曲が使い捨てになる現状は、あまりよろしくないと思いますので。(永山)
A どの体制が良いのかは、それぞれの劇団によるかと。(辻)
A 基本は上記で、機会を作ってどんどん違う形態にも挑戦、というのが理想だと思います。
特に俳優さんは「座付演出以外の演出」を受ける機会を作るのがとても必要なことだと思います。(池田)
Q 劇団員を増やすコツや手段があればききたいです。
A 僕も聞きたいです。まじめに答えると、あまり増やそうと考えたことがないのでその方向で考えたことがありません。(山下)
A これ!といった決定打はない気が・・コツコツ地道に募集をかけていたら忘れた頃にぽつんと入って来てくれたりします。
ここでやりたい!と思わせるような作品を作れたら一番効果がありそうです。
当団で工夫(?)しているのは、稽古場にお借りしている施設に団員募集の張り紙をしたり、HPをPCサイトと携帯サイトも作成して(過去の上演記録等)目に触れやすくする、新聞の文化欄やタウン情報誌等、一般の方の目につくマスコミ媒体を利用する事などです。 (佐倉)
A 観客を増やすコツと似ているかも知れません。
やはり面白い、魅力的な舞台を作っていたら、それを観たい、演りたい人は増えるんじゃないかしら?実際、難しいですけど。(泊)
A 「コツ」や「手段」で入ってきた劇団員は長く続かない気がするので、果たしてそれが必要なのかどうかが疑問です。
「入りたい」と思える芝居や集団を作ることが大切ではないでしょうか?(福田)
A ノーベル文学賞でもとって有名になるしかないかなと夢想したりします。演劇をやるために東京に行く、というストーリーを崩して、演劇をやりたいから九州に行く、という若者たちが国内外に増えると、ウチの劇団員も増えるのかな、と。
つまりレベルの高い、いい作品をつくり続けるしかないのですが・・・。(永山)
A 良い作品をつくること、そして、発信し続けることでしょうか。(辻)
A 基本的に稽古見学&体験随時OKにしています。「おもしろい人」に出会う機会が増えたように感じます。
でも足並みの揃わないメンバーをたくさん増やすより、「少数精鋭のほうが進めやすい」という考え方もアリと思います。
「客演」を呼ぶのも劇団の大きな刺激になります。その場合、頑張って「出演料・交通費など」をある程度準備したほうが、相手の方の気合も違うと思います。これまた「お金と時間の使い方」です。(池田)
A まずは、しっかり募集をすることだと思います。募集チラシを演劇公演や、チラシをおけるスペースに手間暇をかけて設置します。チラシもいろんなチラシを見比べて、入ってきて欲しい人に届くデザインやキャッチコピーを考えます。
最初に練習に来たときが肝心で、しっかり歓迎していることを雰囲気や態度で伝えます。あたらしく来た人に対応する専門の人をおくくらいして、決して疎外感を与えることがないように。普通は、最初からテンションマックスで来る人はめったにいません。最初は軽い気持ちで来た人に演劇の楽しさ厳しさを徐々に知ってもらうようにすることだと思います。(高崎)
Q 新幹線ほか交通網の発達が九州の演劇界に与える影響は?
A ビジネスや観光において新幹線開通の効果は大きなものがあると思います。大規模な商業演劇の観劇層は、新幹線の利用率が高いと思われるため、この点では人の移動が増えるでしょう。
地域演劇関係者にとって、もっとも大きな効果は、九州新幹線が開通することで九州内の心理的な距離が近く感じられることだと思います。このことが九州内での演劇人や演劇公演の交流をさらに活発化させる可能性があります。
とはいえ九州新幹線は九州7県のすべてを通るわけではないので、九州全体でみたときに、心理的な距離を近く感じさせる効果は限定的かも知れません。(高崎)
Q 活動休止している劇団があるとのことですが、なぜ活動を休止してしまうのでしょうか。たとえばやりたいけど稽古場が無くなって活動が出来なくなる団体がありました。
A 基本的にはケースバイケースでしょう。まず考えられるのが正式に解散表明をしてないため開店休業のように見えるパターンがあります。また、長くやることで表現の方向性の不一致があきらかになってくるということもあるでしょう。
ほかにも、年齢を重ねるごとに環境や周囲の雰囲気がかわってきて、続けにくくなるということもあるかもしれません。各地域で続けられる環境や状況が整うことが、私の強い希望です。(高崎)
A 大分では、構成人数が少ない劇団が多い事から、新人が増えない団体の場合、平均年齢が上がるとともに「家庭を持つ」「仕事で役職につく」「主要人物(代表や制作)が転勤する」などの理由で、「稽古に人が集まらない=役者やスタッフが足りない=芝居がつくれない=公演がうてない」というパターンが最も多いと思います。休眠中の役者(客演)やスタッフ(当日手伝い)を引っ張りだすことも、「おおいた演劇の会」で横のつながりを持つ目的の1つです。 (佐倉)
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