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九州演劇人サミット in 佐賀 レポート(概要)

その1 | その2 


■九州演劇人サミットin佐賀
2008年6月7−8日
佐賀市文化交流プラザ 交流センター
>公式サイト(外部リンク)

★雰囲気をもっと知りたい!
 アルバムはこちら(外部リンク)

パネルトーク 九州演劇人サミット
「ちょっと気になる隣の演劇人」

九州各地の演劇人が佐賀エスプラッツに集う!
合言葉は「なんしよーと?」 
さぁ!隣の演劇人に聞いてみよう!

■パネリスト
池 田 美 樹(劇団きらら・熊本)
市 原 幹 也( のこされ劇場≡・北九州)
仮屋園 修 太(劇団LOKE・鹿児島)
原 尻 幸 子(劇団吉祥じゅん&ワルキューレ・大分)
神水流 じん子(市民劇団25馬力・宮崎)
田 原 佐知子(劇団HIT!STAGE・長崎)
後 藤   香(福岡)
辻   恵 子(劇団【Ziシアター】・佐賀)

■コーディネーター
高 崎 大 志 (PINstage代表NPO法人FPAP事務局長)

■WS講師
永 山 智 行(こふく劇場
池 田 美 樹(劇団きらら

★パネリスト紹介はこちら(外部リンク)

記録(1)(2)

<アンケート質問より>

質問:演劇に興味がなかった人に興味を持ってもらうためにはどうすればいいか?もっと演劇を身近に感じてもらうためにはどうすればいいと思われますか?
辻:見せる場所なり、見る場所を作ることが大切ではないか。ワークショップもやっていきたいと思う。
市原:お客さんのいる場所(たとえばカフェなど)に自分たちが行き、そこにいるお客さんを引き連れて劇場へ上がる、というような手法を自分たちはとった。
神水流:たとえば、何かのイベントがある際に声をかけてもらって、そこでこういう活動をしている人がいる、ということをアピールしていく。
原尻:知ってもらうためにどうするかを考える。キャンペーンのような活動をし、ワンコインで観られるようにするなど、劇場へ行きやすくする。
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質問:演劇をやっていて1番好きな瞬間とは?なぜ演劇をしているのか?

後藤:ここにきたということは、演劇に興味があると思うが、なぜ演劇が好きか、なぜ演劇をしているのか、ということを参加している人に聞いてみたいです。
参加者A(熊本/男性)私は、はっきり言ってもてるためにやっています。
――会場から拍手が起こる――
原尻:もてます?
参加者A友達は増えましたが、あまりもてるということはないですね…(笑)
参加者B(女性)いろんな人と逢いたいから。変わった人が多いから。
後藤:なるほど!変わった人が多いから!ありがとうございます!じゃぁ、市原さんはどうですか??
市原:今は生活するためもあるんですが、昔は音楽をやっていて、気付くと演劇になっていたんですよね。簡単に言うと、世の中の知らないことがそこにあるような気がして、という感じです。何かあると思ってやっていますけど、でも答えが見つからないということも含めて魅力なんじゃないかなと思います。答えが見つかったらやめればいいですからね。
高崎:演劇が他の芸術と特に違うのは、人間の存在を中心にしたり、技術とかではなくて、特に人間性を中心にしていることであるとか、コミュニケーションのアートというところですよね。台詞があってだとか、台詞がないにしても、身体で他者と会話していく。
今日劇団さんがやられていたワークショップであるとかも、いわゆる身体でコミュニケーション。そういう他の分野の芸術にはあまりないものが、特に演劇にはある。
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質問:スタッフを劇団外に依頼する場合、どれくらい費用がかかっていますか?

市原:音響も照明も北九州芸術劇場の中に入っている方に頼んでいます。(芝居の)内容とかではなく、1日拘束して、3万5千円くらいですね。
高崎:妥当でしょうね。
高崎:本当にそれで生活している人を1日拘束しようと思ったら、3万5千円は不思議な数字ではないし、あとはそれを企業努力で2万5千円まで落としている会社もあります。
原尻:大分は結構そうですね。チーフクラスの人がそれくらいで、下の人は2万5千円よりは下がらないですね。
高崎:がんばっても、一日拘束して1人1万5千円が限界じゃないでしょうかね。
:エスプラッツホールは今のところ、舞台技術員3人までは会館の財団もちなので、簡単な音響、照明であれば無料でおまかせできますね。
高崎:ぽんプラザホールはスタッフを頼もうと思ったら別料金がかかります。それでもトータルでかなり安くなっているというところもあって、地元の劇団にとってはやはり使い勝手がよいようです。

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質問:公演のときのチケットノルマはありますか?それは何枚くらいですか?

高崎:参加者が一人どれくらい売ってくれたらいいかな、満足かな、と思いますか??
市原:劇団員であれば、20〜30枚は絶対いくので、それは最低ラインとしてあり、プラスそのときの公演で何枚、という感じですね。劇団もお客さんがいるという感じなので、役者が売るのが5割で、劇団についたお客さんが5割という感じですね。
神水流:ノルマ自体はないですね。役者に(チケット)は配りますけど、売れるまで帰ってくるな、とかはないですね。
神水流:役者に売って欲しいのは10枚ですね。
田原:うちはチケットノルマの設定はしています。1度、売れなかった分を自分で払え、ということをしたことがありましたが、後味がかなり悪かったのでやめました。でも、一応、チケットノルマはあります。30枚程度です。
原尻:舞台に立っている人だけが全てじゃないので、支えなければということで、チケットのノルマに対してマイナスを感じるようになりました。
その気になったら100枚くらいなら売れるのではないかと思います。チケットは売らなきゃいけない、じゃなく、チケットは売れるものだとプラスに思うようにする。
胸を張って観に来てもらえる舞台を皆さんつくりましょう!!
会場:〜〜 拍手 〜〜
高崎:100枚という話もある中で、今聞いた話しでは、30枚を一つの設定ラインとして設定しているところが多いかな、というご意見をうかがうことができました。
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質問:子どもたちに教えるというのはどういう感覚でやっていますか?

高崎:最近とくに演劇が学校現場でコミュニケーション能力を発達させるということなどで注目されているというのもありますが、子どもへのワークショップなど、どういった感覚でされているのかお話しを聞ければと思います。
池田:劇団きららも小中学校に年間30くらいまわってますが、ワークショップにもいくつか性格があると思います。表現の力を磨く、技術を磨くだとかがあると思います。移動遊園地のような、1日しかいかないというメリットとデミリットを考えつつ、「正月のおにいさんになること」(普段なかなか会わない親しみのある人のような)を目標にしている。小中学校に行く場合は、移動遊園地の感覚で行っています。
高崎: 現代の子どもたちがコミュニケーションが苦手になっている、他者との距離のとり方が分からないだとか、たとえば本当は殴るくらいですむところが人を殺してしまうだとかいうことがあり、そういった中で、コミュニケーションの芸術である演劇が、他者との適正な距離のとり方、こう言えば相手がこれぐらい傷つく、これぐらい言われたら自分はこれだけ傷つくだとか、配役という役をやることで、他者の気持ちになって考えるという擬似体験になるところが一つ注目されているところです。
演劇が、人に見せてお金をもらうという興行という側面以外にも、学校現場でも教育だとかで多様な効用がある。
市原:普段友達と一緒にクラスでやっていることは全く違うことです。僕がワークショップをやるときはクラスをバラバラにして、普段のクラスの社会を壊して、やらせています。そこでまた新しい社会が形成され、子どもたちが喧嘩して泣いて、とやっている姿を見ると、胸を打たれるものがありますね。
高崎:テレビや映画が中心的になってきて、演劇のシェアが狭くなっていく可能性がある中で、私はこの効用や演劇の必要性を強く訴えていかなければ、演劇が生き残れないと、ますます有名人が出る演劇しかなくなるんじゃないかという危機感を持っています。
客観的にみて、演劇だからよかったことは何だと思いますか??
後藤:想像力を養うことは音楽でもスポーツでもできると思うんですね。脚本に、自分の言葉じゃないものが書かれていて、自分の言葉ではないものを自分の言葉として表現しなければいけないというのが難しいが、でも人の心を考えるのに役立つということでしょうかね・・・演劇は人に伝えるためにやらないといけないことが多いですよ!
高崎:それは具体的にどういうことですか?
後藤:台詞覚え、動きを覚える、言われたように体を動かす、音楽ここだよといわれたらそこで入らないといけないでしょう?やらないといけないことが多いんですよ。
高崎:後藤さんが言うように、いろんなことをしないといけないというのは確かにそうですね。人間の声も心も体も使わないといけないという演劇に特徴的なところですね。音楽でも、作曲者の意図、心情を分かった上で演奏しないといけないということを最近知ったのですが、特に、演劇については台詞の意味を心で理解して表現しないといけないということの重要性は、演劇の特徴的なところだと思います。
後藤:子どものパワーはすごいですよ。子どものやっていることに自分たちも刺激をうけます。技術的には狭いのに、求められることに対して自分にリミットをつけずにとにかく頑張ってついてきます。大人が出来る!と言ってあげると信じてついてくる子が多い。
高崎:そうやって次世代が育ってくれなければ、お客さんもいないし、役者さんも減ってくるということになりますし、演劇が社会に対して分かりやすく役に立てる場面をお話しいただいたと思います。これからしっかりとしたワークショップが出来る方が増えてくれるといいですね。
池田:企業の接遇マナーのお仕事などで客の設定でやったり、社員研修のWSをやったりだとかで、30、40代の表現講座であったりの依頼があります。子どもに表現させたいという場は多いが、大人たちの表現の場もあればいいなと思います。
高崎:表現の立場にいる方に、いままでになかった活動分野が広がってきているようです。

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高崎:時間がきましたので、次回の開催地を今回の開催地である佐賀の辻さんから発表していただきます!
:次の開催地は、鹿児島です!!
仮屋園:宮崎のサミットのときから参加しましたが鹿児島でやることになりました。
遠いですが、ぜひぜひ来て下さい。よろしくお願いします。
高崎:「九州演劇人サミットin佐賀」をしめさせていただきます。皆様ありがとうございました!!

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