福田:作品について、河野さんから質問が出ていました。
河野:どのくらいのペースで新作を出して、どのくらいの間隔で公演をしているか、どうやって公演時期を決めているか、おしえてください。
永山:ここ最近は2つの会館と共催で打っています。あとは子どもたちのWSをやったり。そういったスケジュールを埋めていくと、出来るのはこことここかな、と決まっていく感じですね。
泊:うちは本公演は年に1本です。9、10月に地元でやって、年明けて東京、それに熊本とか長崎とか加わって、という感じで。あと、劇団内劇団が2つあるので、スケジュールをみて好きにどうぞ、と。北九州は演劇祭が秋にあるので、秋に公演する習慣がついていますね。
池田:うちは制作部があって、外部からお金をもらってやる部門と公演をやる部門があります。お金をいただいてやるお仕事の状況を見ながら、年間スケジュールを組んでいます。
大塚:基本的に西鉄ホールとの提携なので、1年くらい前にホールから日程が出て、プロデューサー陣と相談して決めます。何となく2〜3ヶ月おきかな。
岡本:公共ホールが抽選でとれない、ということがありました。抽選に負け続けて、半年公演できなかった。それで北九州演劇祭に申請したら、それも落とされて。公共ホールの抽選とどう戦えばいいのかな、と。
福田:抽選ですか…抽選になったことがないですね。
白濱:熊本で芝居してたころ、3ヶ月前に抽選という施設があって、夜中に自転車でいったことがありました。が、誰も並んでませんでしたね…。長崎でも抽選まではないですね。
河野:バッティングすることもそうだし、お客さんのことを考えても、1年中どこかで芝居をやっている、という状況にしたほうがいいと思って、他劇団の公演時期とかも考慮すべきなんだろうとは思っています。が、どうしても秋に集中したり、リージョナルの時期に集中する。抽選でピアノの発表会とかの競争でとれない、ということもあり得るんですよね…
永山:宮崎も抽選制度ありますが、競争率は高いというわけではないですね。
岡本:福岡にぽんプラザという小劇場があって、そこに地元劇団の公演が集中しているというのが現状です。数年前に管理体制が変わって、抽選システムを変えて「長く借りる団体が優先」とか改良はされています。新しく出来る劇場にもそういうシステムづくりを期待しています。
白濱:ぽんプラザのシステムはすごい。「長期利用が優先」というのもそうだし、もしバッティングしてしまった場合のフォローもしてくれるんですよね。しかもいいホールの上、料金が安い。福岡はホールの金額もシステムもすごくいいと思います。長崎は及ばないですね。
泊:確かに福岡は安いですよね。北九州の半額くらい。
岡本:そのホールを「日曜の午後だけとる」とかいう人がいるんですよ!
大塚:「この公演はここでしかできない!」とかいう企画書を持っていくとかしてみたらどう?10分20分くらいの短い芝居をやってプレゼンするとか、映像を持ち込む、とか。最初はムリかもしれないけど、1回で諦めずに。これはあるプロデューサーが言ってたんだけど、1回では相手にしなくても、3回来ればやっぱり気になるよね、と。抽選でしかとれないところではなくて、もっとハードルが高いところを目指して狙っていく、というのはどうでしょう。劇場に育ててもらう、というのも考えないといけないですよね。
永山:自分たちは空き店舗でやらせてもらったりしたこともあるんですけど、それって仕方がなく、ではなくその空間が面白かったから。選ばれるより選んでいく、空間を作っていく、というのも演劇の面白味ですよね。そういう意味では、今やっているのは劇場ですが、通常どおりの使い方では芝居しない。舞台に客席作ったりとか。攻めていけばいいんじゃないでしょうか。
池田:発想の転換、ですね。熊本のリージョナルシアターでも、1200のキャパの、いつもはバレエとかやる大きなホールに、舞台の上に客席作って小劇場をつくったりして。企画して持っていけば、実現するかもしれないし、刺激にもなりますよね。めちゃくちゃな企画書を作って持っていくというのもアリかな、と。
◇
福田:では企画、という話も出ましたので、ここで九州演劇人サミット企画会議に入りたいと思います。
永山:サミット自体も続いていくんだろうと思うのですが、こうして出会いました、和解もありました、さて次どうしようか。代表たちはもちろん、役者も出逢いを求めていると思うんです。それに芝居を見たことがない人はサミットには来ない。さて何をしたら見にきてくれるだろうか。座長大会とか、コント対決とか…。
池田:リーディングとか、WSとかどうでしょう?よその県の方の芝居を自分のところでやってみる、とか。
岡本:「全部くじ引き」で公演、というはどうでしょう。役割を全部くじ引きで決める。くじ引いて、大塚さんが照明、とか。
福田:面白いですね。
泊:どこでやりましょうか…次の開催地ですかね…どうですか、永山さん!
永山:は、はい…いいですよ、皆さん宮崎に来てください!
【会場から大きな拍手】
永山:サミットを宮崎で開いて、九州内にすばらしい人たちがいるというのを知ってほしいなと思いますね。Welcome
to 宮崎!!
福田:では、宮崎でさきほどの岡本さんの案の公演、でどうでしょう。
岡本:え、ホントにいいんですか!?大塚さんが衣装を縫うかもしれないんですよ!?
大塚:…詳細は別途詰めましょう(笑)
◇◇
このあとの参加者からの質問コーナーでは、下記のような質疑応答がありました。
●そもそもなぜ演劇を始めたのですか?
・高校時代、演劇部が3人しかいなくてかわいそうだったので、野球部を辞めて入部した。(永山)
・高校時代、高校演劇の大会を見にいったら主役の女の子がかわいかったので、テニス部を辞めて入部した。(白濱)
・高校時代、本ばかり読んでいて、ある日戯曲を読んでみて芝居に興味持った。(河野)
・子どものころ毎日リカちゃん人形で即興劇やっていたのが原点。(池田)
・中学の文化祭で初めて舞台に立って、「よかったよ」と言われたのが始まり。(田中)
など。
●脚本をどのように書いていますか?
・日常で「いいと思ったこと」をメモにしてためていく。それを合体させてシーンを作り、脚本にしていく。(岡本)
・メモにして自分の中でビジュアル化する。調べられるものは図書館で調べて、街や現場に行って取材する。(大塚)
・まずは頭の中のモヤモヤしているものを考える。それを表現するために、場所はどこかいいかな、とか考えて、田舎の設定がいいな、と思えば田舎に取材に行ってメモを作って…と作り上げていく。(泊)
・スケッチを描く。それをもとに稽古しながら仕上げていく。(永山)
・突き上げる衝撃、腹がたつこととかムカついたことを「なんでこう思うんだろう」と考えていく。あと、街へ出て人を観察。街は面白い。(池田)
など。
●演出と脚本(と時には役者)を兼ねるとき、どうしていますか?
・まずは作家モード、それから演出、本番始まって役者モードになって、「オレ出番少ないな」と思ったりする…(大塚)
・役者が一番あとになるので代役立ててやっている。(岡本)
など。
◇◇
こうして「九州演劇人サミットin長崎」は盛況のうちに閉幕しました。
参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
パネリストの皆さん、スタッフの皆さん、お疲れさまでした!!
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