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九州演劇人サミット in 長崎 その記録2

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その記録2

福田:熊本の稽古場事情はどうですか?

河野:昔は自前の稽古場あったけど、今は公民館とかで場所借りてやってます。夜は9時半か10時までですね。コミュニティセンターとか、施設は増えてます。

池田:きららは稽古場と事務所を持ってます。経済事情とか考えると、長崎と熊本はもしかしたら似ているかも。例えば稽古場を持つとか、福岡では大変なことでも、熊本では探せばあったりする。長崎でも探せばあるのでは?

福田:宮崎はいかがですか?

永山:うちも稽古場をもってます。月5万円。宮崎の他の劇団の事情をいうと、やっぱり公共の場所だと22時まで、かな。
  ちなみに宮崎には演劇協会があるのですが、長崎にはありますか?

福田:あります。実は今日来てもらうつもりだったのですが、スケジュール合わずに断念しました。協会との仲は悪くはないです。が、特に何をしてもらう、というわけでもない、という感じですね。

白濱:協会に入っていたのですが、やめました。演劇祭に出演しませんか、という話があって、それならもっと中から意見言っていった方がいいのでは、と入会しました。が、顧客情報の共有を出来ないかとか、協会からDM出そうとか、いろいろ言ったが動かなかった。で、折り合いがつかなくなってやめました。

永山:やはり協会が動く、とか、地元のネットワークが必要ですよね。宮崎の協会は実は私が会長をさせてもらっています。最初は70代の方が会長だったのが、50代の方に引継ぎ、今は30代の私に回ってきた。若いヤツがやれ、ということで。協会をうまく使っていくことも必要かもしれませんね。

福田:こちらからの働きかけ、というのもこれからの課題ですね。

池田:若い頃って、どこかに所属するってイヤだったけど、つながりを持つというのは大きな力だな、と。ネットワークは持つ、でもそこで「つるまない」という空気があればいいのでは、と思います。

福田:田中さんは、つかこうへい劇団にいた頃、稽古場はどうだったのですか?

田中:5〜6年前のことですが、行政とのタイアップの劇団だったので、行政が用意した稽古場を時間制限なく使えてました。でも劇団員は皆仕事しながらだったので、実際稽古に入るのは9時ごろ。だから、今聞いたみたいに、稽古場が9時10時で終わる、というのはやはりキツイだろうな、と思いますね。

福田:皆さん、人材はどうやって集めてますか?

泊:うちはオーディション。以前は大学演劇のOBが集まって、大学の延長線みたいな感じだったのを10年前からオーディションに変えた。大体5〜10人受けにきて、0〜2人入る、という感じかな。

河野:この間初めてオーディションをやりました。今後もオーディションにするつもりです。

永山:実は明日オーディションやるということで、チラシ撒いたのだが、役者の応募はゼロでした…

福田:ギンギラさんは?

泊:厳密に言うと、劇団員少ないですよね?

大塚:今7人です。半分以上客演でやってます。中心になってやってくれてる、信頼関係出来てるコアなメンバーと、若手の間に空間がある感じ。覚悟が出来た30〜40代と、まだ「夢があれば食えなくても」みたいな10代〜20代。集団のあり方というのは、いつも考えています。もがいてますね。

福田:それは共通の悩みかもしれないですね。世代が2層になっているというか。

泊:うちは劇団員がやめない。特に男。どんどんたまっていってますね。平均年齢が31くらいになってます。10年前ぐらいに入ってきたメンバー、コアなメンバーがやめない、という感じ。今、劇団員が21人。役者が18人で、スタッフが僕入れて3人ですね。みんなそれぞれ事情があるから、公演ごとに「次出たい人」と言って手を挙げさせてます。ちなみに次回は14人出ます。

池田:希望者はみんな出れるの?

泊:以前は劇団内オーディションで出れない人もいたんですが、それだと空気悪くなってきたので、今は全員出すことにしてます。だから考えますよ、14人手が挙がって、「キャラ14人か…」って。出るからにはキャラをちゃんともったかたちで出す。とかやっていくとどうしても長くなったり…。

岡本:グレコはメンバー10人くらいです。グレコは劇団ではないので役者しかいません。役者だけの団体で、お互いに触発しながらやっていこう、と。毎回座長制。面白いものを持ってきた人が座長。その人が書いてきて、皆で書き直して、つくっていく…というスタイルです。そのやり方がいいか悪いかは分からないけど、全員が役者しか出来ないと思ってるし、それでも創れるんじゃないか、と。

永山:うちは現在劇団員7名です。人材の確保、難しいですね。高校演劇からやってる人はそのまま宮崎で芝居、とならない。芝居やるなら東京、と東京に行っちゃって、キズついて帰ってくる。で、もう芝居なんてしない、となってしまうんですよね…

泊:うちは東京から帰ってきて入った劇団員もいますよ。もちろんそのためには、北九州が盛り上がっていなければいけない、とは思っています。

福田:人材の流出はさせたくないですよね。そのために地元に土壌がないと、と思いますね。
  人と言えば、観る側もそうかと思うのですが、大塚さんにぜひ集客のコツをお聞きしたいです。

大塚:そうですね、3000人までは口コミですね。7〜8割はリピーターの方で、2〜3割りが友人の紹介、という感じで少しずつ増えていきました。やっぱりメディアに出ないといけないのかな、と焦って出た時期もあったんですけど、正直なところ手ごたえは分からなかった。たぶん「演劇」って、テレビとかでちょっと入った情報くらいではお客さんは来ないんじゃないかな、と思います。もっとはっきり背中を押すものが必要で、それが口コミなんだと思います。口コミが一番強い。実は動員が300まで落ちた時期もあったんですが、ある程度「自分たちは毎回こういうものを提供しますよ」というキャッチボールがお客さんと出来るようになってから増えましたね。あと、節目はイベントかな。西鉄ホールに立たせてもらって2000人を超えて、嘉穂劇場でやらせてもらったときに3000人を超えました。あとはチラシですね。チラシに「どういう作品か」というのをしっかり書いて。チラシはお客さんへのラブレターだと思ってます。
あとは特別な何かをしてきた、ということはないです。

泊:かぶりものって、人に説明しやすいから口コミのパワーはありますよね。それにギンギラさんは前説で写真撮っていいから、こういうのだよ、って友達に見せて広めやすい。あれはいいですよね。ずるい(笑)。

大塚:これは作家としてというよりも、興行主として、どうしたらお客さんに楽しんでもらえるか。というのを考えてます。やっぱりマーケティングとか戦略も必要だと思うんです。お客さんがお金を出そうとしているもの、映画とかCDとか洋服とか…そういうものとの競争にどう食い込むか。一般のお客さんを増やすとき、商品としての側面を考える必要はあるはずですよね。それは作家の自分としてはつらい時もあるけど、うまく折り合いをつけていかないと、と思ってます。

泊:そういう意味で大塚さんは作家性と興行が合致した幸せな方ですよね。

福田:どうしてもジレンマが発生すると思うのですが、そこをうまくやられているのですね。

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