劇評ワークショップも最後の講座となりました!
第一回目の劇評鑑賞作品であったサードステージさんに続き、今回の劇評対象作品は、うってかわってナイロン100℃さんの「フローズン・ビーチ」です。
ストーリーはこちらのナイロン100℃さんのHPをご覧くださいませ。
今回は2回目ということもあり、文字数を制限して、800字となりました。扇田さんの感想でも「2回目ということでみなさん上手になってますね」と!それぞれの書き方や視点のオリジナリティも見えてきていらっしゃるようで、さまざまな劇評が集まりました。
今回はケラリーノさんの特徴でもある、不条理のお芝居ということで、ある方の劇評では、冒頭から「わけわからん!」とはじまっていらっしゃいました。素直な感覚だと思いますが、最終的には扇田さんより「わけわからん!とおっしゃってますが、劇評全体を読み終わると、作品をよくわかってらっしゃいますね」(笑)と。印象づける書き出しが大事だったりしますね。
ほかには、詳細なことになりますので、今回もあまり具体的にお書きできないのが残念ですが、たとえば下記のようなことがあげられました。
○「2階」→実は3階だった(事実関係との相違がないように気をつける点)
○主語がないために、誤解を与える表現になってしまっている。
○「たしかそういうそのようなセリフだった」ということを限定項を入れておくとよい。しかし、セリフはあくまで役者の口から語られるものをいうので、そこも注意。
○「展開に無理がある」などのマイナスの指摘でも素直な感覚として、書き込んでもよい。
また、添削後には質疑応答も相次ぎ、盛り上がりました。作り手側の劇評への期待感の話になり、扇田さんも「こちらはニュートラルな感覚でいたとしても、作り手方からすると、けなされたら嫌い、ほめられると好きなのは当然だと思う。」とのこと。しかしながら、劇評に載ることが大変励みであり、劇評に取り上げてもらえることを望んでいる劇団もいるので、演劇界全体を盛り上げるために、いい劇評を書き続けてくださいとのこと。
そのほかにはある作品に酷評をした劇作家の話が出たり、似たもの同士はけなし合うこともある話など、ちょっとした暴露話のような展開にもなり、盛り上がりましたよ。
今回がなごりおしくも最後の講義ということで、扇田さんより総括をいただきました。まず、参加者の方の劇評のレベルが高いとのこと。また、いろんな視点や表現の評が集まり、多様なものだったと。扇田さんにとっても、こんな視点があるのか!と大変楽しく劇評を添削していただけたようです。今回の劇評はぜひケラさんにも読ませたいとおっしゃっていただけるほど。最後には「みなさん、いい劇評家になってください。」と激励もいただきました。
その後の懇親会では参加者同士で互いの連絡先などを交換されて、横のつながりも生まれていらっしゃいました。九州の演劇界を盛り上げるために、お芝居や、舞台が大好きな方々の愛のある評がその一躍を担うことは間違いありません。今後が楽しみです。
今回の第二回目劇評を、専用ページを作って公開させていただいております。こちらもぜひご覧くださいませ!今回のワークショップでの指導をもとにさらに力作の劇評を書き続けていただきたいと思います。
※また、劇団、ホール関係者の方で、今回の参加者に劇評をぜひ書いていただきたい方はどうぞお気軽にご相談くださいませ!!!info☆fpap.jp(☆を@に替えてください)
レポート:FPAP 山本 |