<<1日目>>
この「都市日記fukuoka」は、劇作の経験者を対象とした戯曲ワークショップで、
街へ出かけて取材し、その街、地域の魅力や創作のための素材を見つけ、
それらを表現や創作活動に活かそうというものです。
今回のワークショップは、11月〜来年2月までのうち、全5日間の日程で行います。
講師は、マレビトの会代表で、劇作家、演出家の松田正隆さんです。
ワークショップ1日目は、、講師の松田さんより簡単な自己紹介から始まり、参加者からもそれぞれ自己紹介として、主な活動についてお話していただきました。
そして、松田さんが普段どのような創作活動をし、
どのような作品づくりをおこなっているかなど、これまでの松田さんの作品DVDなどを見ながらのお話がありました。
松田さんがだんだんと都市に注目した作品づくりをおこなうようになっていく課程などが感じられるお話でした。
松田さん「普段見慣れているようなところでも、よく見ていないことが多い。 何気ない音でも無駄に録音してみると、あれ?という発見があったりする。 映像で写してみるとそこにあるものを再提出させられたりということもある。
今の時代、自分たちは複製技術に囲まれている。
普段みている博多の風景も、「見ている」とは何か、 意識的にみると違ってみえることがある。
見慣れている場所でも、客人を案内することであらためて行くと、 新たに見えるものがあるときがある。
今回いつもみているような風景を「見てみる」ということで博多の都市が見えてくることがあるのでは。」
というお話があり、早速、博多の街を歩いてみることにしました。
ワークショップ初日は松田さん、参加者全員一緒に街を見てまわり、
翌日のワークショップでは、各自が見て気になったところメインに見にいく予定で、
歩く街から気になるものや人を探していきました。
松田さんの「自分の視線や感受性、自分と都市との関わりを見つけていく作業」というお話を胸にフィールドワークに出かけました。
外へ出て歩き出して数分で、地元の女性に声をかけていただき、 櫛田神社までお話聞きながら歩いていきました。
1時間ほど歩いたあとは、自由に散策する時間を取りました。
集合時間を決めて、一旦各自バラバラと気になる場所を探しに出かけました。
今回は主に中洲を中心に歩きました。
会場へ戻ってからは、各自散策してきたこと、 明日のワークショップではどのあたりを再度散策したいか等、それぞれ口頭で発表していきました。
櫛田神社のことや、中洲を流れる川について、また、そこにいる人たちに会話についてなどのレポートがありました。
松田さん「それぞれ気になる場所から「言葉」に出会っているのもいいなと思いました。 それぞれに街が見えてきたらおもしろいなと思う。」
翌日2日目のワークショップでは、今日見てきたところで各自気になったところをあらためて歩き、 その場所で感じたことや考えたこと、をそれぞれまとめ、5〜10分程度口頭発表をすることになりました。
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<<2日目>>
2日目のワークショップは、
1日目のワークショップで歩いた中洲周辺で、受講者それぞれが気になる場所を今度は各自再び歩き、
そこで感じたことや気になった風景について口頭で発表しました。
最初に、前日に発表した気になる場所、また歩きたい場所について、全員で地図を見ながら確認しました。
歩くエリアは全員異なり、それぞれが取材したい場所へ移動しました。
講師の松田さん、スタッフも受講者が再度歩くといっていたエリアを順番に歩いていきました。
会場に戻って、それそれが歩いた街、風景の報告発表でした。
発表は、それぞれタイトルをつけて、発表してもらいました。
中洲の歓楽街、路上ライブをする若者たち、橋の風景、風の感触や神社の静けさ、
人の会話、街を「見ている」自分自身、などなど、さまざまな報告がありました。
松田さん「(自分自身についての意識の変化について発表した受講生に対して)観察者の問題が浮き彫りになってきているというか、すんなり自分が観察しようとする対象が見れないっていうことを問題にするという態度だったり、視点を持っている側がどういう気分でいるのかっていうことは、フィールドワークの大事な部分でもある。観察者が客観的な視点ではないという感じが出ている。」
などのお話しがありました。
松田さん「今日行ってみたものを間接的に聞くってのは、面白いね。報告者の雰囲気とか。
今のライヴ感ってのも、面白いんだけど、これをテキストに置き換えるって作業をしてもらいたいと思います。
今日発表してもらった内容から、少し会話みたいなの作ってもいいだろうし、
せっかくなので今のイメージを書き物にして提出してもらって、それをちょっと、皆で読んでみることを次回してみたいと思います。5分くらいのもので書いてきてもらいたいと思います。」
ということで、次回ワークショップまでの課題が発表されました。
松田さん「(課題について、)基本、素材を台本にするのが大事じゃないかなと思います。
それをみて、昔のこういうことを思い出したとか、そういうのはいいと思うし、
だから観察者の思いが入り込むのは、全然いいと思う。
形式をあんまり考えず、テキスト化するというか、文字にしてみるということをしてみたいと思います。」
課題の提出期限を決めて、1回目のワークショップはここまでで終了です。 |