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制作者勉強会「芸術文化振興基金等助成対象活動募集について」レポート

「ゲイブン助成ってナニ?」
「気になってはいるのだけれど、何をどうしたらいいのやら?」
「募集案内を読んではみたけれど、正直よく分からない…」

そんな福岡・九州の舞台芸術関係者の向けて、10月15日に東京で行われた「平成20年度助成対象活動募集等説明会」に出席した横山氏から、説明会の内容についてのレクチャーを行いました。

■開催日時:2007年11月2日(金曜日)19:15〜(約1時間)
■場所:ぽんプラザホール2Fスペース
■発表者:横山恭子さん(元FPAP職員、現世田谷パブリックシアター研修生)

今回の参加者は15名。演劇だけではなく、音楽やコンテンポラリーダンスの分野からの参加もありました。机の上にはたくさんの資料。時間になったところで早速横山さんの話が始まりました。


まずはこの助成金についての解説から始まりました。こちらの助成金は、大きく3つの柱「創造普及活動その1」「舞台芸術振興」「文化庁重点」から成り立っているそうです。今回はまず皆さんに挑戦してほしいという「創造普及活動その1」に絞って話が進みました。

申請時の留意事項について、ひとつひとつ実際に資料に記載されているところを確認しながら説明が進みました。

「1団体3件まで申し込みが可能」「1件当たりの金額は20万円以上でなければならない」「主催、またはそれに準ずるところに劇団(カンパニー)が必ずなければならず、実行委員会形式は不可」など。申請書には収支の予算を記入する欄があるのですが、記入してはいけない経費について募集案内に記載されているそうです。そのような経費については絶対に記入をしてはいけないそうです。その記入があるだけで案内をよく読んでいないと判断され落とされることもあるとか。

途中で、横山さんから参加者に質問が出ました。「この中で『規約』を持っている劇団はどのくらいありますか?」4,5人が手を挙げていたでしょうか。なぜこのような質問が出たかというと、この助成金の申請には劇団の『規約』の提出も必要なのだそうです。それを聞いて驚かれた方も多かったようです。「申請が通ってからも助成金が実際に手元に来るまでは何度か提出書類があり、時間もかかるので通った後のことも考える必要がある」と申請が通ってからについても軽く触れていました。


今までよく知らなかったことが一気に説明されたためか、参加者の皆さんは頷きながらも少々難しい顔をされていたように思います。

 ここまで一通り説明したところで、実際に今年度採択された団体についての話に移りました。「最近は助成金額が100万円以下の団体が増えてきているようだ。大きい団体だけに助成金を出すのではなく、今後の成長まで見込んで、小さな団体にも助成金を交付している傾向があるのでは」とのこと。例として宮崎で活動をしている「劇団こふく劇場」を挙げていました。「今がチャンスだと思うので、1回では通らないかもしれないが諦めず申し込みをしてほしい」という発言もありました。福岡では「劇団ショーマンシップ」「飛ぶ劇場」が助成金を受けているそうです。「(採択される団体の傾向としては)小劇場系が増えてきているようだ」「(企画が)仮の状態でも自分たちがやろうとしていることをしっかり書けば採択される可能性は十分あるのでは」とも話されていました。

 一旦小休憩をはさんでから再開。その中でFPAPの職員から「話を聞くと 難しく思われるかもしれないが、そんなことはない。大事なのは 2点。1点は少し大きく出してしまうこと。もう1点は諦めず申請を続ける こと。申請は、最低3回はチャレンジしてみてほしい」という 話もありました。

 ここから実際の例についての話に移りました。先日ぽんプラザホールで行われた「大学演劇部合同公演」は、この芸術文化振興基金より助成を受けた公演でした。配布資料としてこの合同公演の際の申請書も配られていました。やはり話を聞くだけではなく、実際の例はよい参考になったのではないでしょうか。この実際の例に関しては今回の参加者だけの特典です。

助成金は必要経費の半分までしか援助されないそうですが、それについ て、どのように考えればよいのか。また、どのようなことをどんなふう に書くと、助成金が通りやすいのか。のお話も出てきました。

やはりこれも参加者だけの特典ということで。ここで記入の際に重要なキーワードが出てきました。それは「社会性」。「自分たちの自己満足ではなく、演劇であればその公演をすることで『社会的に役に立つ』ということを相手に訴えかけることが必要。自分たちの公演に社会性を見出し、それをまとめあげるのは制作者の力量であり仕事だと思う」と話されていました。

 そして最後に質疑応答。2つほど質問が出ました。その中で出てきた話で興味深いことなのですが、横山さんが芸術文化振興基金の東京での説明会に出席されたとき、偉い方が開口一番に「(申込用紙は)読める字で書いてください。」と話されたとのこと。どの団体も色々書きたいことがたくさんあるとは思いますが、相手にそれが伝わらなければ意味がないということですね。その観点からですと、やはりパソコンで書くことがオススメだそうです。その際も文字のポイント数には注意が必要と話されていました。内容に関しても客観的に見てわかりやすく書くことが重要とのことです。

最後には「最近になり文化庁も文化の一極集中を懸念している。そのため地域の中小団体に交付する傾向が出てきている。なので今がチャンスだと言える。今までは地方からは申請そのものが出ていなかったので、これからはどんどん挑戦してほしい」という話があり、今回の勉強会は終了しました。

 今までよくわからずとっつきにくかった助成金との距離が、今回の勉強会を通して少し近くなったのではないでしょうか。芸術文化振興基金だけでなく、他にも様々な助成金制度があります。この勉強会をきっかけに、今後は助成金制度も上手に活用しつつ各団体がますます発展していくことを願います。  

最後になりますが、横山さん、また参加者の皆様、お忙しい中ありがとうございました。

(レポート/FPAPサポートスタッフ・岸田久美)


 

 
 
 


 
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