日時 |
2018年2月7日(日) 19:30〜21:00 |
会場 |
ゆめアール大橋 大練習室(福岡市南区) |
講師 |
福永郁央(あなピグモ捕獲団脚本・演出)、松岡伸哉(ヒカリノオト脚本・演出) |
作家 |
馬場佑介(福岡大学4年生/Yb(イッテルビウム)脚本・演出) |
脚本 |
CLEAR(一寸先はパルプンテ卒業公演) |
進行 |
高崎大志(NPO法人FPAP 事務局長) |
記録 |
豊岡舞(NPO法人FPAP) |
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ページを追って、気づいたことや気になったこと(3/3)
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(31ページ〜) 福永:この辺のページ数が増えるでしょ。他のシーンに比べて。これまで1ページ2ページで終わっていたシーンが、ここだと4ページくらいになっている。お客さんの体感としては、7分から10分位はあるだろう。それくらいのシーンをこの後半にもってくるのは、少し重いかな。 高崎:なるほど 福永:楽しい気分だったお客さんが、ありゃまと思うから、10分割くらいにして(それ以前のページに)散りばめてくれたら、もっといい本になるかなと。 松岡:この本のお客さんの取っ掛かりになるのはコメディの部分だと思う。コメディに食いついて、コメディに期待するから、展開にはコメディが必要になると思うので、振り分けと言うか、前半にに置いただけでもあると、かなり変わるんじゃないかなと。 高崎:この後半の部分ですべてがわかるという爽快さを狙っていると思うので、このシーンに重点があるのは当然として、(もっと小分けにしたほうがよさそう)。 高崎:ここはどうでしょう。笑いがだいぶ入っていますが、、 松岡:これも、思い出したかのように入ってくる笑いがあって、これがもう少し蔓延していたら。 福永:ここは勝負の時間帯になってくると思う。(まじめな)シフトに入ってきているから、お客さんは笑わないで真面目に見ようと思っているところだから、笑いが来ると、せっかく積み上げたものがナシになってしまうということもあって、ウチも昔だいぶ「後半の笑いはいらない」と言われたけど。 高崎:茶化すというのは、笑いが多いということ? 福永:いや、35ページで、あたまの「キャラぶれちゃいそう」で、バグについて会話が始まって、記憶についても話があるのに「すいません、何いってるか分かんないです」で、終わってしまって、そのままになっている、、、 松岡:「分かんないです」の前でやっている会話が回収されないから、その「分からないです」ということで、笑いが来ちゃうから、その前の会話が忘れられそう。 高崎:そういう狙いなのでは? 松岡:忘れられて大丈夫ですか?ここまで説明してきた事象が、、 馬場:忘れられたくはないですかね、、どっちかというと。さすがになんか、ずっと説明が続いててやばいなと思って、ちょっとでもお客さんの負担を軽減じゃないですけど、しなきゃと思ってなんかこうなった。 高崎:(あいまいだけど)ちゃんとした答えはある? 馬場:、、、、、 松岡:逆に、答えがないから、こうなった、、、 高崎:一つくらいは、お客さんを突き放して、そこは気持ち悪いなで終わっても、それもありかと思うけど、たくさんあるときついのかも、、 福永:36ページまで行って、命題が変わってくるので、ここまでひっぱってきた「バグ」ってものに対する重要度が、役割を変わる・引き継ぐというシステムがバグ対策なのかどうか。この壁男がヒジリに話している内容で、ヒジリの正義感が刺激されて、壁男になっていくんでしょうから、、そういう衝動のきっかけはほしいかなぁ。 福永:(脚本が)今っぽいんだよね。今っぽい。 高崎:それは、どういう、、、、 福永:熱量がない。いろんなことに対する熱量を出すのがかっこ悪いという価値観が(脚本)に投影されているのかなと。俺がやってやるよという熱血漢みたいなのが今っぽくないのかなと。 高崎:なるほど 福永:熱いと思うんだけど、責任取るっていうところまで行くのかなと、最後にはわかるけれどもこの瞬間ではわからない。 福永:エピソードとしては、いっぱい考えてブツブツやるとどんどん壁に埋まっていくというアイディアはとても面白いなぁと思った。 高崎:今の分かった? 馬場:わかりました。 福永:俺の解釈が間違ってなければ、ラストシーンを見る限りは、ヒジリくんってのが裏側にいて、そのヒジリに次を託した壁男もつながっていって、うまくいけば、その他の登場人物も、つながっていくかもしれない。 松岡:感動させたい感じのつくりではありますよね。 福永:そうなんだよ。 福永:やっぱ、死が見えるとね。死から生還するっていうのは、人の(根源的な感動を)抱える問題だろうから。まして、この本が死を選ばせてないというなら、感動(の方向性)なんだろうから、じゃあ、死を抱いたというところから物語は始まらないとダメかなぁと、、、ダメってことはないか、、、、 高崎:ここは、現実とゲーム世界の融合を見せようとか、難しい概念を飲み込ませてやろうかなという試みかなと思ったけど、それもなかなか難しいみたいなので、壁男について(ちゃんと書くのは)あきらめても、いいじゃないかと、、、 福永:そりゃだめだろう(笑)。(壁男の存在をちゃんとすることは)30パーセントは(この本の成否を)握ってると思うよ。 松岡:壁男は、序盤に匂わせていけば、ちょっとは変わると思うんですけど、、、 福永:アイディア次第かな、、、 福永:壁当てというゲームがある。たとえば、この主人公がこのゲームでトラウマを感じて、大人になってもつきまとって、この壁の中に入ったら俺は助かるんじゃないか、、、みたいな切迫感みたいなのがモチーフとしてアイディアで出てくると、面白くなるかもしれない。なんでもいいから、現実でお客さんの目に浮かぶような風景があると、お客さんは想像しやすいし、そこからメタファーとか具象的なことを語ってやれば、ストンと落ちるのかなという気がします。 (最後の上司とのシーン) 福永:現実世界ではだいぶ時間がたっているようだが、、 松岡:最後の上司とのシーンは、不安から想像する妄想なのかなと思ったけど。こうなるかもしれないという妄想。このシーンは現実なんですか。だいぶ時間が立ってますけど。 馬場:普通に時間が経過している。妄想ではない (ラストシーン) 福永:男の子の本だなぁと思った。ストーンと終わった。女性客の心情を考えると、もうちょっとなにかあったほうがいいかなと。最後のト書きのシーンをどうつくるかによるかなと思った。 福永:最後のハイタッチの「でもこれからは、」で終わったけど、ココこそは書かないとなぁと。 松岡:これは(「でもこれからは、」で終わらずに、ちゃんと)言って欲しい 福永:ココは書かないと、ここまで40ページ費やしてきた意味が、、、、。ここはお客さんに任せちゃいけないところだと思う。馬場君がこれからどうするのかという決意表明を書かないと、終われないかなと思う。 松岡:書かない美学もわかる。ただ、読んでて思ったのは、なんでもいいから、なんでもいいと思うので、二人が同時に言うこの一言がこの作品の全てになっているんだと思うから。そこがスカッと(外すと)なると、、、、、役者の芝居次第ではあるけども。 馬場:書こうと思っている。が、今の所は思いついてなくて、、、稽古で役者の雰囲気を見て、そこから出てこないかなと思っている。
高崎:はい、では、場所を変えましょうか。 (この後は懇親会へと場所を変え、脚本以外のことについても色々とお話しました。)
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主催・協力等
主催:NPO法人FPAP
後援:九州地域演劇協議会