【第4部】
◎司会進行:梁木靖弘(九州大谷短期大学/NPO法人FPAP)
さて、今回のパネルトークの目玉のひとつである4部の始まりです。さまざまな立場から福岡演劇を支え見守ってきた方々の話に期待。
まず最初に「YES・NOパネル」から。
【質問】現在芝居に関わっている?YES or NO?(観るだけ、という場合はNO)
【結果】YES:34 NO:19
トークは、パネリストそれぞれが思うところの"福岡演劇の現状"から。
「面白いイベントは脈々と続いていると思う。」
「専門学校、プロダクションなど、商業演劇に関するものが増えた。」
「演劇をやる側の人口は増えたが、観客層はあまり増えているという感じがしない。」
「小劇場系に関わりだして10数年、あんまり変わった感じはない。」
「劇団が増えていない。プロデュース、ユニット公演が多いがその意味が見えない。」
「客演については、以前は"仲間同士で"というのが多かったが、今は"その役者を使うことで作品にもその役者自身にもいい影響がある"というふうになってきているのでは。それはいい傾向。」
「演劇をやっている人間がそこそこいて、"なんとなく"続けていけるが、ここから先をどうするか目標をきちんと立ててやっているところがあるのか?状況としては同じことのくり返しで昔とあまり変わってないような気がする。」
など、忌憚のないさまざまな意見が出ました。
そして話題は"演劇を続けるモチベーション"について。
「具体的な目標があるからやる、ではなくやりたい気持ちからやっている人がほとんどだと思う。」「自分たちの世代は人生を捨て芝居に命をかけた。今の人は芝居をしながら生活をしているし甘えがある。」などのちょっぴり辛口の意見も。
ここでもう一度「YES・NOパネル」。
【質問】芝居をやっていることを親に言っていない(もしくは反対されている)?YES or NO?
【結果】YES:2 NO:15
【質問】演劇のためなら人生を捨ててもいい?YES or NO?
【結果】YES:7 NO:2ぐらい
堂々と「YES」を挙げた7名に(心の中で)拍手。
最後に、今後の福岡演劇のあるべき姿について。
「このようなシンポジウムを開けたことにまずは満足。もっと頑張りたい。」
「財団では子ども達に演劇を体験してもらう事業を展開中。将来子ども達が実際に演劇を好きになってもらって指導する立場に成長してもらえればうれしい。演劇に限らず自由な表現に対して楽しんでほしい。」
「皆が続けていけば洗練されて、もっと面白いことになるのかもしれない。」
「ここには来ていない一般の方々にもっと演劇に観にきてもらえるようにするのがまず第一。」
「芝居を観に行くという行為自体を好きになってほしい。」
「劇団サイドと観客サイドの交流が必要。」
「企業メセナがもっと活発になるといい。」
「制作スタッフの育成を。」
など、こちらも"民間""行政""つくる側""観る側"とそれぞれの立場からの幅広いご意見を伺うこができました。
このあと、助成金についてのかなり具体的な話にまで話題は及び、4部すべてのパネルトークは無事終了いたしました。
パネリストの皆さま、お疲れさまでした!
ご参加いただいた皆さま、ご来場ありがとうございました!
(文責:NPO法人FPAP 横山)
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