観劇ディスカッションブログ

<< December 2008 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

観劇ディスカッションの感想。

2008.12.03 Wednesday | 番外編

地点の三浦さんは面白い人でした。
芝居はもちろん、上演脚本の作り方や稽古の仕方が大変面白かったです。
ああー、これを半年前に知っていたらなぁというのがたくさんありました。
それというのも、私は日ごろ自分の書いた脚本の演出しかしないので、
今年の6月に大野城まどかぴあさんから
寺山修司の脚本を演出するという企画をいただいた際、
それはそれは苦労し、自分が大嫌いになり、寺山修司が大嫌いになり、
危うく「演出の仕事」も大嫌いになりかける、
という事態に陥った経験があったので。

そのときはがむしゃらに作って、荒削りながらなんとか納得できるものになったのですが、
なんかもっと、上手い演出の方法があるんじゃないかなぁ・・・とここ何ヶ月かずっと考えていました。
今回の観劇ディスカッションで大きな手がかりを掴んだ気がします。

三浦さんの方法論はとても合理的で、わかりやすいものでした。
人の方法論を聞いて面白いと思ったことなんて一度もなかったのに、
初めてです、自分の劇団で試したいと思ったのは。
上から目線な文章で大変申し訳ない。でもそう思ったので。

三浦さんがどういう方法で上演脚本を作り、どのように稽古しているのか
という話をここに書いたほうがいいのでしょうが、
才能のある演出家がこのブログをみて、いい作品を作ってしまってはちょっと嫌なので簡単にご紹介いたします。

三浦さんは登場人物の必要性や関係性を考えるときに、
「登場人物の墓参り」というエチュードをするそうです。
つまり、誰も墓参りに行かないようなやつは作品において重要な人物ではないし、
逆に、みんなが墓参りに行くやつは主要な人物である。
という考え方。
これは自分で書いた脚本を精査するときに使えそうだと思いました。
なので、地点のワーニャ伯父さんは、「ワーニャ伯父さん」ではなく、
姪の「ソーニャ」が物語の中心になっていました。

ああーこれを半年前に知っていたらなぁ。
そんな観劇ディスカッションでした。
大変面白かったです。今後の作品に活かしていきたいです。
中村雪絵(番外編) | comments (1172) | trackbacks (0)