2008.12.06 Saturday | 番外編
亀井です。
地点「ワーニャおじさん」、圧巻でした。
他の方も書かれているように、とても美しい舞台でした。
だけど、美しいものを並べてみせました、というようなものではなく、
ひとつひとつはグロテスクだったりするものなのに、全体としてはとても美しいという印象でした。
それはそれのままで変わらないけれども、それ自体が、変わらないことも含めて美しい、あるいは愛おしい……、上手く言葉にはできませんが、そんなことを考えました。
番外編とはいえ、前回の第二回全体と変わらないくらいの刺激を受けました。
「星の王子さま」に出てくる獲物を飲み込むうわばみの話のように、半年ぐらいかけてゆっくりと消化していきたいです。
今回の参加者は、それぞれ違う地域で活動しているということもあって、
ちょっとした空き時間とかに他の都市の状況を聞くことが出来たのも楽しかったです。
2008.12.03 Wednesday | 番外編
地点の三浦さんは面白い人でした。
芝居はもちろん、上演脚本の作り方や稽古の仕方が大変面白かったです。
ああー、これを半年前に知っていたらなぁというのがたくさんありました。
それというのも、私は日ごろ自分の書いた脚本の演出しかしないので、
今年の6月に大野城まどかぴあさんから
寺山修司の脚本を演出するという企画をいただいた際、
それはそれは苦労し、自分が大嫌いになり、寺山修司が大嫌いになり、
危うく「演出の仕事」も大嫌いになりかける、
という事態に陥った経験があったので。
そのときはがむしゃらに作って、荒削りながらなんとか納得できるものになったのですが、
なんかもっと、上手い演出の方法があるんじゃないかなぁ・・・とここ何ヶ月かずっと考えていました。
今回の観劇ディスカッションで大きな手がかりを掴んだ気がします。
三浦さんの方法論はとても合理的で、わかりやすいものでした。
人の方法論を聞いて面白いと思ったことなんて一度もなかったのに、
初めてです、自分の劇団で試したいと思ったのは。
上から目線な文章で大変申し訳ない。でもそう思ったので。
三浦さんがどういう方法で上演脚本を作り、どのように稽古しているのか
という話をここに書いたほうがいいのでしょうが、
才能のある演出家がこのブログをみて、いい作品を作ってしまってはちょっと嫌なので簡単にご紹介いたします。
三浦さんは登場人物の必要性や関係性を考えるときに、
「登場人物の墓参り」というエチュードをするそうです。
つまり、誰も墓参りに行かないようなやつは作品において重要な人物ではないし、
逆に、みんなが墓参りに行くやつは主要な人物である。
という考え方。
これは自分で書いた脚本を精査するときに使えそうだと思いました。
なので、地点のワーニャ伯父さんは、「ワーニャ伯父さん」ではなく、
姪の「ソーニャ」が物語の中心になっていました。
ああーこれを半年前に知っていたらなぁ。
そんな観劇ディスカッションでした。
大変面白かったです。今後の作品に活かしていきたいです。
2008.12.02 Tuesday | 番外編
遅ればせながら…大分の演劇ユニット水中花の日下です。
観劇ディスカッション。最初かなりびびってましたが、本当に勉強になりました。
私は自分の団体では作・演出をしていますが、「もっと、もっと面白く!」と思いながらもどこかで自分の今のエリアから抜け出せない歯がゆさを感じていました。
そんな頭でっかちな私にとって…劇団地点さんの作品とその演出工程は、まさに未知の領域。最初はわからなかったけど、見終わった後、ものすごく素敵だと思いました。芸術とはなんて自由なんだと思いました。
ハコの中で制限を与えられた状態で、あれもできない、これもできない、と排除していくのも必要で大切なこと…。でも、その中で最大限の表現を追及していく姿勢と探究心、それを劇団が一丸となって取り掛かる団結力にも感動しました。
私なんかをお誘いくださって、本当にありがとうございました。
作家の自分と、演出の自分をしっかりもっていけることが今後の自分の目標になりました。
これからも頑張ります!みなさん、今後とも宜しくお願いいたします!
頑張りましょうね!!
2008.11.24 Monday | 番外編
とても面白く感じました。
チェーホフは大好きな作家のひとりです。
今から十数年前に、この作品を読んでいますが、今回、このような機会をいただき、再度読み返してみて、あの時よりも、ずっと『今』を描き出しているように思いました。
ワーニャ伯父さんは、今、演じられるべき作品のように感じています。
この作品がどのように立体化されるのか、非常に楽しみです。
2008.11.24 Monday | 番外編
6月の「第二回観劇ディスカッションツアー」に続いて参加させていただきます、亀井です。
「ワーニャ伯父さん」、登場人物たちとそれを取り巻く状況の、いろんな意味での "しょうがなさ" が胸に迫ります。
信じていたものが崩れ去って何もなくなってしまい、しかもやり直すには遅すぎる。もうどうしようもないから、"しょうがない" と諦めるしかないけれども、諦念から生まれるなにかもあるわけで、それが希望と呼ばれるものなのかもしれず……。
という具合に、何度読んでもぐるぐると考えがまわってしまって感想らしい感想も書けない感じです。チェーホフの四大戯曲の中ではこの作品が一番好きなので、簡単に書けるつもりだったんですけど……。
地点の公演とその後のディスカッションで、別の角度からの意見に触れられるのが楽しみです。
2008.11.23 Sunday | 番外編
なかなか書けずに申し訳ありません〜。
遅ればせながら、『ワーニャ伯父さん』…読みました!
…なんて人間くさいんだろう…が一番の感想でした。
人間って100年経っても同じなんだな、と…当たり前かもしれませんが感じました。
卑屈さや嫉妬深さ、嘆き、絶望…あらゆる人物のそんな感情が行き交い、花火のように散った後のソーニャのラストの台詞が印象的でした。
一言が深い…。
タイトルにされているのはワーニャ伯父さん…彼にスポットをあてていることにも妙な深みを感じました。
最初は名前がややこしくて読むのに苦戦をしましたが…読み終わってみると、不思議と登場人物達の豊かな表情がこの目で見たかのように残っていました。
なんだか…面白かったです。
劇団地点さんがどのような作品にされるのか、とても楽しみです。
2008.11.23 Sunday | 番外編
チェーホフは「ワーニャ伯父さん」を、喜劇でも悲劇でもなく単に「田園生活劇」と規定した。
地点の三浦さんもおっしゃっているように、地味な話である。
しかしながら、平均週二回上演された「ワーニャ伯父さん」は連日超満員、熱狂的なカーテンコールが繰り返されたそうだ。
舞台はロシア。1890年代半ばの森に囲まれた大きな屋敷。白樺を育てる話が出てくるので、北の方だと予測される。
そこで領地を経営する中年男イワン・ヴォイニーツキイを若い姪のソーニャが手伝っている。
彼女にとってヴォイニーツキイは、いつまでも大切な「ワーニャ伯父さん」である。
そのほか、ソーニャを育てた乳母マリーナ、没落地主で今は食客になっているテレーギンが同居している。
時々、森林の育成を生きがいにする医師アーストロフが訪ねてくる。
夏のはじめ、ソーニャの父セレブリャコーフが、教授の職を退き、若くて美しい後妻エレーナをつれてこの田舎屋敷に戻ってくる。
このセレブリャコーフ教授が大変身勝手なじじいなのだ。
遅くまで書き物をし、夜中に呼びつけてお茶を入れさせ、
自分の老いと病を愚痴りまくる。
早寝早起きで健全だった一家の生活は、彼が現れたことで暮らしの軌道が外れてしまう。
ヴォイニーツキイはこの教授を崇拝し領地収入を捧げてきたのだが、
最近すっかり失望してしまい、その反動のように彼の妻エレーナにしつこく言い寄りはじめる。
その様子を皮肉な目で見ていた医師アーストロフも、夏の後半には仕事を放り出し、エレーナを誘惑する。
密かにアーストロフを慕ってきたソーニャはエレーナの登場により、恋の望みが立たれるのではないかと感じている。
やがて9月に入り、物語が大きく動き始める。
ちやほやされた現役時代を忘れられない教授は、もう一度都会で暮らすため、
領地を売って利回りのいい有価証券に変えようと言い出すのだ。
これにより、ヴォイニーツキイの怒りは爆発する。
なぜなら、この領地はかつてヴォイニーツキイ家がソーニャの母に与えたものだったからだ。
ヴォイニーツキイは教授めがけて二度ピストルで撃ってしまう。
・・・が、二度とも外れる。ああー。
最終幕、教授と妻エレーナは手近な都会ハリコフに引越し、
和解したヴォイニーツキイは「今までどおり金を送る」と約束する。
そしてみんなもとの生活に戻り、
一度は自殺を考えたヴォイニーツキイと、恋を失ったソーニャは、
やがて天国で休める日まで働いて、耐えて、生きていくしかないのだと、
夏におざなりにしていた農作物の伝票を書き始める。
とここで終幕。
このシーンのソーニャのセリフはチェーホフ劇の中でももっとも美しいとされており、
チェーホフの友人だったセルゲイ・ラフマニノフ(のだめでおなじみ)は、
このセリフをもとに歌曲を作っている。
時代も国も違う戯曲だったが、大変面白かった。
わかりやすい小田島雄志氏の訳と比較的新しい小野理子氏の訳、
そして地点がテキストで使用している神西清氏の訳と3パターン読んだが、
頭の温かい私には小田島訳が一番なじんだ。
これから初めてチェーホフを読むよ、という方にはオススメです。
「ワーニャ伯父さん」には現代の日本人にも共通する部分がたくさんあり、
読み物としては本当に面白かったのだが、
ただこれを日本人が演るとどうなるのだろうと思う。
いくら日本語に翻訳されていて、共感できる部分があるにしても、
これはロシアの話。日本人ならこういうこと言わないよな、みたいなところがやっぱりたくさんある。
素直に上演したら新劇によくある違和感を感じそうだ。
いくらロシアっぽい服を着てそういう舞台装置を作っても、
顔や言葉が日本ではちょっと滑稽だなぁと思ってしまう。
新劇が嫌いなわけではないのだが、むしろ好きなのだが、もし私がこの戯曲を演出するとしたら日本人がやる意味を持たせたいな、と思う。
まだプランはないけども。
2008.11.21 Friday | 番外編
こんばんは。
福岡で活動する「劇団ぎゃ。」の主宰・脚本・演出・ハレンチ芸人を担当しております、中村雪絵というものです。
先週の土曜日に公演を終えたばかりなので頭がぼわぼわしており、
上手く文章が書けていない可能性が濃厚ですが、何卒お許しください。
私の所属する劇団ぎゃ。は20代前半女子8名で構成された
超セクシー劇団です。
少し驚くべき場所で
少し驚くべき役者とスタッフが
少し驚くべき企画を
をコンセプトに、「演劇」をもっと身近な娯楽とするため、
オーケストラ、バンドの生演奏や映像、ダンス、主宰による一人コントなど、
様々なパフォーマンスを意欲的に盛り込んだ活動を行っております。
・・・もし、ご興味がございましたら、こちらを覗いてみてくださいませ。
http://www.gekidangya.com/
超セクシーは嘘ですけどね。
ここのところ露出の激しい(もちろん、肉体的な意味合いで)私でございますが、観劇ディスカッションに参加させていただきます。
よろしくお願いいたします。
ワーニャ伯父さんの感想は明日!!
2008.11.21 Friday | 番外編
ご挨拶が送れて申し訳ございません。
大分県大分市で活動しております、「演劇ユニット水中花」の代表の日下渚と申します。
演劇ユニット水中花は、2008年1月にようやく旗揚げ公演を行った、できたばかりの演劇ユニットです。一応、私が作・演出をしております。まだまだ勉強中の身でございます…。
仕事や家庭を持ちながら演劇を続けることの困難さゆえ、大分の劇団は解散・分解していくことが多く、どんなスタンスなら演劇を続けやすいだろうと考えた結果…メンバーが期間内だけ打ち込んで作品を作るという期間ユニットとして結成することとなりました。
現在2009年1月の小公演に向けて稽古を重ねておりますが、自分の未熟さを痛感することも多く…今回このような企画に呼んでいただき、喜ばしくもあり、恐ろしくもあり…色んな意味で楽しみにしています。
次回、「ワーニャ伯父さん」の感想を書こうと思います!
とりあえず、ご挨拶でした〜!