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劇団きらら観劇レポート!

喜多です。

先日、9/4-5に公演をしていただく、劇団きららさんの熊本公演がありました。
「福岡・九州地域演劇祭」からも劇団きららさんの応援に、「夏の夜の夢」チームより萩原あやさん、
大学合同演劇部より棟久綾志郎くんが代表で熊本まで観劇に行ってきました。

二人から観劇の感想をもらったので掲載します。

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<萩原さん>
劇団きららの『星の王子さま』

演劇はウソをほんとうに見せるものだと、思います。それこそが演劇であり、演劇の面白いところでしょう。

劇団きららの『星の王子さま』は非常に演劇的な舞台でした。
まず、王子さまを演じた宗真樹子さん。「王子さまに出会った!」と言っても過言ではないくらい、完璧に王子さまでした。
声、表情、仕草、歩き方から体の向きまで、どこからどう見ても子供そのままです。歌舞伎の女形が、女性以上に女性であるように、宗さんもまた、子供以上に子供そのものでした。
ほんとう以上のほんとうは、確かに存在するのだと感じさせる演技でした。

もちろん、他の役者さんたちも素晴らしい。隙がない。崩れない。
確かな演技力のある役者さんたち。
これだけでもこの芝居を7割方成功に導いているのですが、もう一つ外せないのは池田美樹さんの演出です。
池田さんはほんとう以上のほんとうを見せてくれる演出家でした。

おはなしの舞台は砂漠と幾つかの小惑星。
砂漠に不時着した飛行士がある惑星からやってきた王子さまと出会う。
王子さまは地球に来る前にも、幾つかの小惑星を旅してきたのでした。
王子の旅の回想と、現在の砂漠と。場面はころころと転換していきますが、それらをほんとう以上のほんとうとして見せてくれます。
映像はほんとうの砂漠とほんとうの小惑星を映してしまえば、それで成立すしますが、写実的なほんとうを再現することのできない演劇で、どうやって表現するのか。
このあたりは、是非、ご自身の目で確かめてほしいと思います。

最後に『星の王子さま』を観劇した印象について。
一言であらわすなら、観劇後なんだか無性に何かを抱きしめたくなりました。バラのエピソードに心動かされたのかもしれません。
おそらく、見る人それぞれに印象や心動かされるエピソードは違うと思います。
ファンタジックな意匠が凝らしてあるお話ではありますが、生きていくうえで大切なことを気づかせてくれることばやエピソードが散りばめられてあります。
と言ってしまうと、何だかお堅い話なのかなと構えてしまうかもしれませんが、池田さんの脚色の仕方はそのあたりの散りばめ方も上手でした。

ずっと昔、原作の『星の王子さま』を読んだことがあったのですが、なんだか大切なことが書いてあるようだけど、ちょっと説教くさい話だなあ、と思っていい印象は抱きませんでしたが、きららの『星の王子様』は説教くささなど微塵も感じさせなかった。現代的に洗練されていて、それでいてすごくカワイイ。
ポップ、と言ってしまえばそういうことなんですけど、その一言で済ませてしまうにはもったいないカワイさがあります。
演劇的でカワイイきららの『星の王子さま』でした。きららの代表作といえる完成度です。

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<棟久くん>
本当によかったです。

劇団きららの売りであろう身近な物を使った表現にも注目していたのですが、まずアイディアのよさ、身体全体を見事に使った人でないキツネ、バラといった生物の心情表現、そして自分というものを離れた情景の表現。
どれをとっても各役者が綺麗に表現していて、自分もこんなことがしてみたいと改めて思いました。

感情をストレートに表す王子様を見事に演じた宗さんもとても印象に残っています。

そして最後の夜空の星の中にいるであろう王子様を探す場面では思わず空を見上げてしまい、作品に取り込まれてしまいました。
その瞬間会場全体が一体になっていたと思います。
表現する喜びを教えて頂けました。

貴重な体験をさせて頂きました。
ありがとうございました。

棟久くんは大学合同演劇部のブログでも詳しく感想を書いてくれています。
http://goudou2010.jugem.jp/?eid=36

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二人とも、きららさんの熊本公演を観劇して大変刺激を受けたようです。
感動をそれぞれの稽古場でも語って、チームの皆にも刺激を与えていました。

また、終演後には楽屋にうかがって、演出の池田さんはじめ劇団きららのみなさんと交流を深めていたようです。
(棟久くんのブログ参照。お茶目な写真が載ってます。)

熊本公演での交流を経て、また、福岡公演が楽しみになりました。
劇団きららのみなさん、今度は私たちが福岡で待ってますね!