総合プロデューサーの高崎です。
宮園瑠衣子作品「春、夜中の暗号」「よかっちゃん」の連続上演で「よかっちゃん」の演出のわたなべなおこさんが、本日福岡入りされました。
約40分程度の「よかっちゃん」が、舞台と客席という概念に挑戦するわたなべさんの演出でどのように舞台化されるのか、たいへん楽しみです。
(よかっちゃん脚本はここからダウンロードして読むことが出来ます。)
この宮園作品の連続上演には、演劇祭の強い意志が込められています。
福岡という地域はエンターテイメント性の強い演劇公演が全盛となっています。これは福岡の祭り「どんたく」に現れる地域性に象徴されるように、福岡の地域性にたいへんフィットしているし、この傾向に大きく挑戦する必要があるとは思っていません。
将来、地域のことは地域で考えるという文化の自己決定権を確立し、舞台芸術の道州制とも言える、一個のそれなりの形がある九州の地域演劇の枠組みが明確になるとき、九州の中で福岡という地域に求められる役割というのがあるだろうと思っています。
この連続上演の存在は、本演劇祭が考える福岡という地域に求められる役割のひとつの答えを提示しています。事前にすべてを言語化しすぎるのもどうかと思いますのでこの辺にとどめますが、この連続上演の観劇を通じて、福岡・九州地域演劇の将来のあり方にも思いをはせていただければ幸いです。